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zoom RSS 社説の読み比べ(郵政民営化の方向転換)

<<   作成日時 : 2009/10/21 11:59   >>

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 今回は郵政民営化の社説記事を読み比べてみてください。


 各紙とも概ね、民営化を是としている点と改革とは何なのかを考えさせられる展開だと思います。


 それと同時に、無い物ねだりとはこの事なのではないかと思わせる記事だと思います。


 それでは最初は朝日新聞、次に日経新聞、最後に読売新聞になっています。


 郵政民営化を見直す基本方針を鳩山政権が閣議決定した。小泉政権が4年前の郵政選挙後に成立させた郵政民営化法を廃止する大転換だ。

 株式会社の形は残すが、持ち株会社の下に郵便局、郵便事業、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険という4子会社がぶらさがる今の体制を根本から変えることになりそうだ。

 閣議決定では、ゆうちょ銀行、かんぽ生命に対し、銀行法や保険業法以外の規制を設ける。そのうえで、郵便に課している「全国一律サービス」の義務を預貯金と生命保険にも広げ、郵便局で一体的に提供する。

 地域格差を是正し、生活弱者の権利を守る役割を郵便局に持たせ、地域行政の拠点にもするという。

 郵政事業の将来を考えるうえでもっとも重要なのは何か。この事業が国民の生活を支えると同時に、自立した事業として存続することだ。民間と対等な競争が確保されることも大事だ。

 現行の持ち株会社と4子会社の体制は、多様な事業の経営に規律をもたらし、「丼勘定」を排して経営改革を進めるうえで一定の合理性があるものと考えられてきた。

 政権交代により、公約に基づいて民営化の方針が変わるのはやむを得ない。だが、国民への甘えや非効率をなくす、という民営化の大原則までゆがめてはならない。

 新たな「郵政改革の基本方針」が郵便局ネットワークの公共性を重視するのは分かるが、経営の効率性や民間との対等な競争をどう考えるかが不透明だ。明確な理念と全体像が早急に示される必要がある。

 格好は株式会社だが、中身は郵政公社以前の「親方日の丸」体質に戻る、というようなことにならない保証はあるのだろうか。

 民営会社の衣をかぶっていれば、旧特定郵便局長の政治活動も自由だ。そういうところだけつまみ食いして、本当に守らなければいけない「民営化の本旨」がなおざりにされはしないか。今後の制度や組織の設計次第の面はあるにせよ、政府は国民に対して将来にわたって責任が負える事業モデルを示す責務がある

 日本郵政持ち株会社の西川善文社長はきのう記者会見し、辞意を表明した。政府の方針転換という事態を考えれば、他に道はなかろう。

 西川氏は金融を肥大させる一方、本業である郵便事業の回復には成功していない。古い官業体質に民間の理念や手法を根付かせようとしたが、果たせないままの退陣となる。

 社長以下の経営陣を代えればそれで済む話ではない。後継者が官業の論理に流されず、民営化の精神を貫く人々でなければ、日本郵政の改革は行き詰まり、経営は漂流しかねない。
(朝日新聞より)



 ある一面において記事に書いている事は正しい。


 郵便局時代の悪しき習慣があったことも事実だろう。


 政府は郵政民営化を大幅に見直す「郵政改革の基本方針」を閣議決定した。これを受ける形で日本郵政の西川善文社長が任期途中での辞任を表明した。郵政事業の民営化は資金の流れを官から民へと転換させ、経済を活性化する狙いだった。一部地域での住民サービスの低下など問題があるとしても、民営化の青写真を大きく変えれば、日本経済が背負うコストは甚大なものになる。

 基本方針では、日本郵政の傘下に4分社がぶらさがる体制を再編し、郵便や郵便貯金、簡易保険を全国の郵便局で一体的に提供する。郵貯と簡保には銀行法、保険業法とは異なる規制を導入する。郵便局網を地域格差是正の拠点とし行政にも活用する。政府はこれを踏まえ、日本郵政グループの株式売却を凍結する法案を26日召集の国会に提出する。

 多くの疑問が残る。全国規模で丁寧なサービスを展開すれば事業コストが膨らむ。そのコストはだれに負担させるのか。ゆうちょ銀行とかんぽ生命がそれぞれ民営会社として独立して経営するのをあきらめさせると読めるが、せっかく効率を上げ始めたのを後戻りさせないか。

 ゆうちょ銀、かんぽ生命の株式は来年にも市場で売却し始める予定だったが、それを長く凍結すれば政府の信用をバックに民間金融機関の経営を圧迫することも予想される。

 それにも増して、郵貯、簡保を通じて入る資金を、政府が唯一の株主である日本郵政グループが一元的に管理すれば、何のことはない、以前の郵政に戻る。実際、亀井静香郵政担当相は郵貯などの資金を地域振興に投じる考えも示している。

 財政投融資制度の下で巨額の郵貯・簡保資金が特殊法人や国、地方自治体などに流れ非効率に使われた。これを改めて民間部門でより有効に使い、経済活性化に役立てるのが郵政改革の理念だったはずだ。

 西川社長の辞任に至る経緯も郵政改革の今後に暗い影を落とす。三井住友銀行の頭取を務めた西川社長は小泉純一郎元首相に請われ日本郵政社長に就いた。宿泊施設「かんぽの宿」の売却が不適切だったという声は前政権下で自民党からも出ていたが、総務省などの調査では明らかな不正は出なかった。民主党や国民新党も新事実を示していない。

 民間人に経営を委嘱しておきながら、いじめに近い仕打ちをし、果ては方針転換を理由に辞任を迫るのでは今後、民間人が進んで来てくれるだろうか。それも含め考えれば政府の「改革見直し」は郵政改革の撤回と同義と見なさざるを得ない。
(日経新聞より)



 早速、後任人事が発表され、元大蔵事務次官の斉藤氏が発表された。


 結果だけを見れば、やはり民間人は全て断られたのであろう事が読み取れる。


 これでは、郵政民営化の原点である「官から民へ」の改革が進まなくなり、実態は「国営に逆戻り」とならないか。

 政府は20日、小泉内閣で始まった郵政民営化路線を転換する「郵政改革の基本方針」を閣議決定した。

 政府が保有する日本郵政株などの売却を凍結し、来年1月に召集される次期通常国会で、見直しの具体策を盛り込んだ郵政改革法(仮称)の成立を目指す。

 郵便・貯金・保険の3事業を郵便局で一体的に利用できるようにするため、日本郵政の下に4事業会社を置く現行の「4分社化」を見直すことなどが柱だ。

 利便性の向上は歓迎するが、民営化で動き始めた郵政グループの効率化や透明化の動きを逆回転させるようでは困る。

 特に貯金と保険に、郵便と同じく「全国一律サービス」を法的に義務づけるとしたのは問題だ。

 そうなれば、ゆうちょ、かんぽの2社の存続を、政府が保証するのと同じである。

 日本郵政が持つ金融2社の全株式を売却する完全民営化も実施しない方向のようだ。

 ゆうちょの貯金残高は、国営時代のピークより約80兆円減ったが、今も約180兆円と巨額だ。政府の後ろ盾のある官製のメガ銀行とメガ生保が温存されれば、民業圧迫が続くことになる。

 亀井郵政改革相は「以前の(国営の)姿に戻すつもりはない」と言うが、巨額資金を吸い上げ、20万人超の巨大グループを支え続ければ、民営化は形骸(けいがい)化する。

 個人金融資産を民間投資に流れるようにし、経済を活性化させるという民営化の目的も果たせない。金融2社は、完全民営化することが必要だ。

 ただし、郵便配達に来た職員に貯金を頼めないなど民営化が招いた問題点も、利用者の声に応え、改善を急いで欲しい。過疎地で、簡単な決済機能を維持するための工夫も欠かせまい。

 無理に切り分けた感のある郵便局会社と郵便事業会社の統合なども検討課題となるだろう。

 かんぽの宿の売却問題などで経営責任を問われた西川善文・日本郵政社長は辞意を表明した。

 貴重な資産を不透明な手続きで安売りしようとした西川氏の責任は重い。政権交代で民営化の基本方針が変わったこともあり、現経営陣の刷新は当然である。

 経営に空白を生じさせないように、政府は後任の人選を急がねばならない。

(2009年10月21日読売新聞)



 三大紙全てに共通する事だが、これこそが都市の原理といえる。


 私自身、東京に暮らしているので、全く不便を感じる事はない。


 だが、一歩、都市から離れると郵便局の有り難味を感じる人が要るのではない。


 そう言った所に都市銀行はおろか、地方銀行がある事も少ない地域が存在する。


 郵政選挙の時に強烈に覚えているニュースがある。


 ある選挙区でその頃、時代の兆児と言われていたIT社長が選挙に出ていた。


 その人は「経営の効率化は必然、コンビニ等に業務を委託すれば良い」と言った趣旨の事を言っていた。


 これがこれこそが都市の人の思いなのだろう。


 想像できない所以だから、あまり深くは言及しないが、コンビニがあるような所なら、それは十分恵まれている地域なのだろうさ・・・。


 民営化は明と暗がない交ぜとなる。


 全ての人にとって素晴らしい案があるのならそれは良い事だろう。


 だが、最低限の生活基盤は出来うる限り提供する義務が政府にはあるはずだ。


 残念ながら、経済効率優先の民営化会社にそれを期待するのは酷というものだろう。


 確かに郵便局時代に親方日の丸におんぶに抱っこという事もあったであろう。


 それをどう是正するかは当然、考えるべきであろう。


 だが、ユニバーサルサービスをどう捉えるのかを根本から考える視点は必要だと思う。

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2009/10/22 00:02

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
色々検索しておりまして、

日本経済で検索していたらここにたどり着きました。

とても興味深い記事を書かれていますね。

私の友人ですが、こちらも面白い記事を書いているので、是非遊びに来てくださいね。

http://blog.livedoor.jp/yume2323/

小林 哲人
2009/10/21 12:53
端的に言って、現場が一番振り回されているようです、友人に先の会社に勤める者が、先の選挙の時にもこぼしておりました。「生活設計がまるで立たない」と…。形態が変われば、転勤も、配置転換もありコツコツと積んだ人間関係(顧客)も一般企業のように、データ管理でしかなくなるとね。
なんか切ない話をされた事を思い出します。
義宗
2009/10/24 21:01
 小林 哲人さん、義宗さん、コメントありがとうございます。
 何処までがユニバーサルサービスなのかは難しい問題なのかも知れません。未だに上下水道が完成されていない地域や都市ガスが整備されていない地域もありますから、だから郵政も例外ではないと言う事なのでしょうね。確かに私の住んでいる地域も東京ですが去年まで下水道はありませんでした。
 難しい選択なのかもしれません・・・。
すかんく
2009/10/29 11:57

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